ペットロスについて、みなさんにもっとリアルな情報をお伝えしたい!どうすればペットロスを早く解消してより前向きな人生が送れるのだろうか?悲しみや喪失から早く解消されるにはどうしたらいいのだろうか?などと考えていたところsoraeに、あるペットロスカウンセラーの方からお問合せをいただきました。
このお問合せでピンときました!そうだ!ペットロスカウンセラーのような資格をもった専門家にお話しを聞こうと、専門家のお話を聞いてもっとリアルな情報をお伝えしようと。
そんな思いでペットロスカウンセラーの方と初めてお会いしお話しさせていただいたところ、まさかの展開に…。なんと、ご自身の今までの体験談をsoraeでお話しいただけることになりました!今回はそんな流れから、あるペットロスカウンセラーの方の体験談をご紹介いたします。
アニマルペットロス療法士のご挨拶
はじめまして。ペットロス療法士として活動しております横島エミと申します。
誰もが陥る可能性のある「ペットロス症候群」。今でもたくさんの方が心の中に悲しみや苦しみを抱えながら、過ごされてらっしゃると思います。しかし、まだまだ「ペットロス症候群」に対するサポートは十分とは言えません。
ここからは、私が重度の「ペットロス症候群」に陥り、そこから現在に至るまでのお話をしたいと思います。ご覧いただき、少しでも悲しんでいらっしゃる方のご参考になればと思います。
最愛のペットとの別れ
私には大切な愛犬がいました。とても可愛いヨークシャテリアの女の子です。とても明るく元気で、まわりの誰もが笑顔になってしまうような子でした。毎年の健康診断も欠かさずに行っていたのですが、その健康診断から3カ月後に重度の「僧帽弁閉鎖不全症」を発症してしまいました。
私は必死にインターネットで病気のことを調べ、専門の病院を探しました。紹介状を書いてもらい大学病院を受診したところ、手術を行えば回復も見込めるとのお話から、藁をもすがる気持ちで手術を決断しました。でも、私の大切な愛犬は戻ってくることはありませんでした。術後の麻酔から目を覚ますことはありませんでした。
私の悲しみは深く、時には過呼吸にもなってしまい、とても正気ではいられない状況でした。眠ることはできず、食欲はなくなり、涙ばかりが溢れ、ずいぶんと周りにも心配をかけてしまいました。
重度の「ペットロス症候群」に
毎日、考えるのは愛犬のことだけ。仕事も手につかず、涙ばかりが溢れ、誰とも話さず、私は心を閉ざしてしまいました。友人たちも心配してくれましたが、みな口々に「時薬(日にち薬)」※1のことばかり。
そんなこと、頭ではわかっていました。でも、悲しみの底にいる私にはまったく響かない言葉でした。かけがえのない大切な愛犬を亡くすという大きな悲しみの中を、ひたすら彷徨っていました。立ち直るために、インターネットや書籍などいろいろと調べてみましたが、私が求めている答えは見つかりませんでした。
私はただ、私の話を聴いてほしい、私の気持ちに共感してほしい、そして愛犬が生きていた証を残したい。それだけでした。でも、それを受け入れてくれるところは、どこにもありませんでした。
「ペットロスカウンセラー」になるという決意
それから数年経ち、徐々にではありますが、私は日常を取り戻し始めていました。もちろん愛犬を忘れたわけではありません。
ただ、あの時の激しい感情ではなく、穏やかな気持ちで愛犬を思い出せるようになっていました。涙は溢れてしまいますが、その涙は激情ではなく、愛情、感謝の気持ちから出てくるものになりました。そんなある日、友人からメッセージが届きました。
「愛犬が亡くなった」と。
私の気持ちは大きく揺さ振られました。いっきに以前の私の気持ちを取り戻しました。友人は深く悲しみ、動揺し、何の言葉も受け付けられない状態でした。ここにも、こんなに悲しみ、苦しんでいる人がいる。それを受け止め、昇華してくれるところはどこにあるのだろう?私と同じようにこれからもずっと苦しみ続けなくてはいけないのだろうか?
そんな思いを友人には、してほしくはありませんでした。私が同じように苦しかったときに求めていたことを、友人にしてあげよう。できる限り心に寄り添ってあげよう。そう心に決めました。そんなときに「ペットロスカウンセラー」という仕事があることを知りました。
友人以外にもきっと世の中には、ペットとのお別れで悲しみ、苦しんでいる人がいる。そんな人の役に立ちたい、そんな気持ちから資格取得を目指しました。
ペットロス心の相談室「くれはいろ」設立
そして、ペットロス療法士の資格を取得し、ペットロス専門の相談室を設立しました。相談室の名前は、私の大切な愛犬「くれは」にちなんでいます。愛犬が生きていた証を残したい、これからもずっと愛犬と生きていく、そんな気持ちが込められています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?長文になってしまいましたが、私はこうして、いま活動を始めています。
ペットロスは、誰一人同じ症状ではありません。それは、誰一人同じ人間も、動物もいないからです。ひとりひとり大切な思い出があります。ひとりひとり、悲しみや後悔、苦しみがあります。そのひとつひとつに真摯に向き合い、傾聴し、共感する。それがペットロスカウンセラーとして大切なことだと思っています。
ご相談の方のお話を聴いていると、毎回こちらも悲しく、涙が出てきてしまいますが、けっして辛いことではありません。なぜなら、その悲しみを共有しているとき、私も自分の愛犬との距離を近くに感じることができるからです。けっして思い出にはできない、大切な感情をカウンセリングのたびに感じることができるのです。
いま、悲しみの深い底にいらっしゃる方も、いつか穏やかな気持ちでペットちゃんを思い出させる日が訪れますように。
「ごめんね」の気持ちから、「ありがとう」と思える日が来ますように、心から願っております。
※1:どんな悲しみや苦しみも、時間が経つことによって解消されていく、という意味。いつか傷が癒やされ、回復する、生き物には、本来、自然治癒力が備わっていると言われています。
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