【アニマルペットロス療法士の連載コラム4】ペットロス、次への一歩の踏み出しかた~人そでぞれでいい、自分なりの一歩~

ペットロス

こんにちは。

ペットロス療法士として活動しておりますエミです。今回は、ペットロスから次の一歩への踏み出しかたについてお話したいと思います。

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【アニマルペットロス療法士の連載コラム1】アニマルペットロス療法士が、実際にペットロス症候群を経験し解消するまでの体験談

【アニマルペットロス療法士の連載コラム2】ペットロスの重症化を軽減する~ペットとの最期のさよならまでの過ごしかたと向き合いかた~

【アニマルペットロス療法士の連載コラム3】ペットロスにならないための悔いのないお見送りのしかた~あなたにしかできない大切な最期のお返し~

誰にでも起こりうるペットロス症候群

まだまだ世間での認知度は低いですがペットロス症候群に陥り、とても辛い思いをしていらっしゃる方はたくさんいると思います。

実際、私もその一人でした。

以前のコラムでも書かせていただきましたが、私の心のダメージは凄まじく、息をすることが精一杯でした。長く苦しいトンネルの中にいるようで、とても出口が見つかる気がしませんでした。何をしていても涙が溢れてしまい、時には過呼吸になってしまうこともありました。このような状態では良くないと思い、インターネットや本などでペットロスからの立ち直り方法を調べましたが、私にとってはどれも気休めのようにしか感じられませんでした。

では、どのようにして私は立ち直ったのでしょうか?

結論から申し上げますと、私は完全に立ち直ることはできませんでした。私が導き出した答え、それは「ペットロス症候群から立ち直る必要はない」ということです。

大切なペットとの幸せな思い出は、いつまでも消えることがありません。それと同じように、やはり深い悲しみは癒えることはないのです。ただひとつ言えることは、悲しみの種類が変わるということ。激しい衝動や慟哭は、いつか深い慈愛となり、温かい気持ちで思い出を振り返られる日がやってきます。

いまは暗く沈んだ闇の中かもしれませんが、いつかその気持ちは昇華され、穏やかな気持ちで大好きなペットを思い出せる日がやってきます。それは一か月後かもしれませんし、一年後かもしれません。残念ながら、それがいつなのかは誰にもわかりません。あなた自身の心が、いつの間にか変化していくのです。

私自身の気持ちの変化もそうでした。

大切なペットを亡くしたときは「悲しい気持ちのままでいい。思い出になんかしたくない」と強く思っていました。大切なペットとのお別れを綺麗な思い出なんかにはしたくないと思ったのです。しかし、時間が経過し、普通の生活に戻っていくことで徐々に心は回復していきます。これは誰にも止められません。人間は生きていく限り、徐々に心を回復させる力があると思っています。

新しい子を迎えるという選択肢

ペットロスからの立ち直りの選択肢のひとつに、新しい子をお迎えするということがあります。

人によっては「二度とあんな悲しい思いはしたくない」「身代わりのようで考えられない」などの意見があると思います。私もそう思っていました。でも、裏を返せばそれだけ強くペットを愛し、大切にしていたからこその思いだと思います。そんな方に、ぜひ知っていただきたいお話があります。少し長くなってしまいますが、引用させていただきます。

犬の遺言

人間は死ぬとき遺言を書いて、愛する人に全てを残すという。

ボクにもそういう事ができるなら、こう書くよ。

可哀想なひとりぼっちの野良犬に、

ボクの幸せなお家を譲ります。

ボクのフードボールや

豪華なベッドも

柔らかい枕もオモチャも

ボクの大好きな(飼い主の)膝の上も

ボクを優しく撫でてくれるその手も、

優しい声も

今までボクが占領していた

あの人(飼い主)の心も

あの人(飼い主)の愛も・・・

ボクに穏やかな最期を過ごさせてくれたその場所を

ボクをギュッと抱きしめてくれたそのぬくもりも

ボクが死んだら

「こんなに悲しい気持ちになりたくないから、もう2度とペットとは暮らさない。」なんて言わないで。

その代わりに、寂しくて、誰も愛してくれる人がいない犬に

ボクの場所をあげてちょうだい。

それがボクの遺言だよ

ボクが残す愛・・・それがボクが与えられる全てだから

このお話を初めて読んだとき、私は涙が止まりませんでした。

命の違いってなんだろう

私はこのお話を知ってから考えました。

私は亡くなった愛犬をとても大切にしていました。

病気になったとき、あらゆる手段を使って助けようとしました。

亡くなったとき、丁寧に火葬し、葬儀をあげ、共に泣いてくれる友人もいました。

愛犬はとても愛され、大切に最期を迎えることができました。

しかし、同じ命なのに、誰にも愛されず、飢えや暑さ寒さの中、道端で亡くなっていく子もいます。同じ命なのに、なんでこんなにも違うのだろう。愛犬を亡くすまでは、そんなことを考えたこともありませんでした。

愛犬が遺してくれたもの

愛犬を亡くし、私には何も残っていないと思っていましたが、そんなことはありませんでした。

愛犬が遺したケージやトイレ、おもちゃやフード入れ…

たくさんのものを愛犬は遺してくれていたのです。

私が悲しんでいる間も、おうちが無かったり、虐待を受けて辛い思いをしている子がいる。愛犬が遺してくれたものが、ほかの命を助けることに使われるなら、きっとそれが愛犬への恩返しなんだ。

新しい子を迎えることが、気を紛らわせる手段でもなく、身代わりでもない、まったく別の視点から見ることができました。

新しい子との出会い

それから私は、保護犬や保護猫のことを調べ始めました。今まで知らなかった現実に驚きと悲しみを覚えました。

そんな中、1匹の犬と出会いました。

その子は、ブリーダー遺棄されレスキューされた子でした。保護時、お腹いっぱいに吸水ポリマーが入っていて、開腹手術で取り出したそうです。また、ずっと檻に入れられていたので、後ろ足は退化していてうまく歩くことができませんでした。(いまは上手にお散歩できるようになりました)

「助けてあげている」そんな気持ちで始まった新しい子との生活ですが、助けてもらっていたのは私でした。

深い悲しみの中、藻掻くように今の子との生活が始まりましたが、一緒に生活をしていくうちに、徐々に私の心の中に温かいものが芽生え始めました。

だからといって、亡くした愛犬のことを忘れたことは一度もありません。今でも毎日、お仏壇にお線香をあげています。でも、いまは穏やかな気持ちで思い出すことができます。笑顔で位牌に語り掛けることができるようになりました。

まとめ

このように、保護されている動物を迎え入れることも選択肢のひとつとして考えてもらえたら嬉しいです。

いまは犬や猫以外にも、ウサギや小鳥、ハムスターや亀など様々な動物が新しい保護主さんを探しています。ペットロスに陥る方は、それだけ動物を愛せる力のある人だと私は思っています。

世の中から、悲しんでいる飼い主さんや、おうちもなく寂しく困っている動物が少しでも減ることを心から願っています。

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