最近ペットを飼い始めた方は、「ペット葬儀」という言葉が耳慣れないかも知れません。『ペット火葬はイメージできるけど、ペット葬儀って何?』『ペット火葬とペット葬儀って何が違うの?』といった疑問にお答えいたします。
ペット火葬・ペット葬儀の歴史
近年では、ペットが亡くなった後の見送り方として火葬が一般的です。
20世紀の終わり頃までは、多くの地域でペットの土葬が許可されていました。しかし、近年は環境・衛生面の問題などから、ペットの土葬を禁止する自治体が増えており、東京都でもペットの土葬を禁止する条例が施行されました。この条例では、ペットの遺体を土葬することが動物の遺棄(捨てて置き去りにすること)にあたるとされています。東京都のほかにも県内全域を土葬禁止にしている例が多くあります。
「ペット火葬」と「ペット葬儀」は、2010年頃まではっきりと区別されずに、ほぼ同義の言葉として扱われていましたが、その後、ペットの移動火葬車が急速に普及するとともに「ペット火葬」の表現が主流として用いられるようになりました。
一方で近年、ペットの家族化が進むにつれて、ペットの遺体を処理(焼却)するという考え方に加えて、ペットに対しても人に向ける想いと同じく、悼み弔う文化が形成されるとともに「ペット葬儀」の表現も定着しています。
火葬と葬儀の関係
「火葬」は「葬儀」の一部と考えられます。
「葬儀」は亡くなった者の遺体の供養や、死者を偲ぶ儀式、遺族の悲しみを和らげる行事のすべてを包含する言葉です。人の葬儀も一般的に、通夜→告別式→火葬の流れで行われ、葬儀の流れの終盤に「火葬」があります。
よって、「葬儀」のなかに「火葬」が含まれる関係性となります。
「ペット火葬」と「ペット葬儀」の違いとは?
以上の事実から、「ペット火葬」と「ペット葬儀」は2つの観点から区別される、異なる意味の言葉と言えます。
行事・儀式の一部と全体の違い
前述の通り、ペット火葬は、ペット葬儀の流れ一部です。主にペットの遺体を焼くことを「ペット火葬」、それを含めた死者を偲ぶ儀式・行事の全体が「ペット葬儀」となります。
ペット葬儀の一般的な流れは、お祈り・お経・お別れの言葉の後に、火葬が行われ、追悼の期間には写真を飾ったりします。
言い換えれば、ペット火葬の前後に葬儀セレモニーが付加されたものがペット葬儀 と表現することができます。
死者や遺族に対する想いを含むか否かの違い
現在、「ペット葬儀」と表現をする方の多くは、共に暮らしてきたペットを家族同様の存在として認識されており、その弔い方も人に対するものと同じように考えているため、「ペット火葬」ではなく「ペット葬儀」という言葉を選んでいるようです。
実際には移動火葬車によるペット火葬でも概ね、お別れの言葉を述べたり、お祈りする時間があるのですが、人に対して「火葬」という表現を用いない(「家族火葬」とは言わない)ことからも、死者や遺族に対する想いの有無や強弱に明らかな違いがあると言えます。
以上、ペット火葬とペット葬儀の違いについて解説してきました。ペットが亡くなってしまったときに、この違いを理解していると適切な見送り方を選ぶことができます。
以下のページでは、あなたの希望をYES/NO形式で答えていくだけで、最適なペット葬儀のスタイルを決めることができます。ご活用ください。