皆さんはミルクボランティアをご存じでしょうか?
保護動物には、生まれたばかりの動物も少なくありません。
ミルクボランティアとは、自立していない赤ちゃん動物を預かり、育てるボランティアの事をいいます。
今回はそんなミルクボランティアについて焦点を当ててみました。
ミルクボランティアって何?何をするの?
ミルクボランティアとは、保護施設や団体で保護した赤ちゃん動物に対し、哺乳や排泄のお世話をし、育てるボランティアの事です。
具体的に何をするのかというと、哺乳が必要な子犬や子猫を預かり、毎日2~3時間置きにミルクを与え、毎日排泄の介護をします。
それから飼育日記を付けたり、部屋の温度や環境を整えるなどの対応が必要です。
授乳ケア
哺乳が必要な子犬・子猫は頻繁にミルクを与えます。
おおよそ2~3時間事に面倒を見る必要がある為、昼夜問わずの対応が必要です。
授乳のやり方をまとめてる方がいるので、是非参考にしてみてください。
授乳ケアは体力的にも精神的にもとても厳しいお世話になります。
睡眠が満足に取れなかったり、個体差によって健康管理に大きな変化があったりなど、とても疲れる活動です。
こういった事情を理解したうえで、活動に取り組んでいただく事が求められます。
排泄介護
離乳前の子猫は自力で排泄できません。
通常、母猫は子猫の尿道口や肛門を舐め、刺激を与えることで排泄を助けます。
排泄介助のやり方をまとめてる方がいるので、是非参考にしてみてください。
排泄がスムーズに行われないと、お腹に溜まったオシッコやウンチが不快感を引き起こし、食欲不振などの問題を引き起こす可能性があります。
飼育日誌
ミルクボランティアは、元気な成長をサポートするために飼育日誌をつけます。
幼い動物たちの健康状態や成長の様子を観察し、細かに記されています。
具体的な記録項目をまとめました。
【体重の記録】
一日2回、体重計で子犬や子猫の体重を計測します。
【排泄の観察】
排泄の状態や頻度を注意深く記録します。
健康な排泄は、幼い動物たちの元気な成長を示す大切なサインです。
【体調の観察】
体調の変化や異常を記録します。
【ミルクの量】
与えたミルクの量や飲み込み具合を記録します。
栄養の摂取量は、幼い動物たちの成長に影響を与える大切な要素です。
【その他の観察】
目や耳の成長、歯の生え方、そして様々な行動をメモします。
ミルクボランティアが記録を残し、情報を共有することで、幼い動物たちに必要なサポートができます。
これらの記録は、新しい家族へと旅立つ時に大きな助けとなります。
どうしてミルクボランティアが必要なの?
現状として、赤ちゃん動物の飼育はとても手がかかります。
動物愛護センターでは人手に限りがあります。
その為、多くの場合収容された赤ちゃん動物は殺処分されてしまうのが現状です。
そうでなくとも、小さな赤ちゃんは良く世話をしてあげなければ衰弱死してしまいます。
小さな命を守る為に、ミルクボランティアは大きな活躍をしています。
ミルクボランティアが世話する期間がどれくらいですか?
ミルクボランティアが子犬や子猫の世話をする期間は、個々の成長段階や、ボランティアが所属する組織や施設の方針によって異なります。
一般的には、生後2か月前後までが目安です。
この期間には、授乳が終わり、固形フードへの移行が進みます。
固形フードを食べられるようになると、お世話の手間も随分と楽になります。
その段階で、里親への引き渡しが決まっている場合はそのまま里親へ。
もしくは、施設へ戻し、里親を待つのが一般的です。
ミルクボランティアの参加条件はなんですか?
ミルクボランティアになる為には、様々な条件があります。
これは預かりボランティアを希望する施設や団体によって変わります。
一般的な条件をまとめましたので、参考にしてください。
※以下条件も必須ではありません。必ず団体の条件を確認してください。
・原則、動物の世話を終日できること(短時間の外出可)
・赤ちゃん動物の育成が可能な住宅にお住まいであること
・車を使用し、施設や病院などへの送迎が可能であること
・健康観察記録をつけること
・ミルクボランティアの応募に関し、同居している家族の同意が得られていること
・先住動物のとの居住区が分けられること
・先住動物の予防注射などが完了していること
ミルクボランティアは経験者でなければできないという事はありません。
希望施設や団体によって参加条件は変わりますのでご確認下さい。
ミルクボランティアに参加したい場合、どうすればいいの?
預かりボランティアになる為の条件をクリアした後は、実際にボランティアに参加してみましょう。
施設や団体によって参加条件は異なりますが、基本的な流れは変わりません。
募集している保護団体を選ぶ
ミルクボランティアを募集している施設団体を選びましょう
自身の住む地域や、応援している団体をご確認ください。
初めての参加の場合、十分なサポート支援をしてくれるところを選ぶのが良いと思います。
活動環境を整える
ミルクボランティアをするうえで、必要な物をまとめました。
【ミルク】
市販品で構いません。
最初は支給されることもありますが、追加分は自己負担のところが多いです。
【哺乳瓶・シリンジ・スポイト】
ミルクを飲ませる為に必要な器具です。
貸し出ししている場合も多いです。
【フード】
おおよそ2週間~3週間程度で固形のフードが食べられるようになります。
【ペットシーツ】
排泄させる為に必要です。
【体重計】
日々の体調管理と共に、体重も図りましょう。
【ケージ】
活動スペースを制限します。
脱走や、キッチンへの進入を防ぎます。
【ヒーター】
生後間もない子犬や子猫は自身で体温調節できません。
しっかり管理してあげましょう。
ミルクボランティアは育てる期間がおおよそ決まっておりますので、団体によっては貸し出しや支給しているケースも多いです。
応募したい施設・団体に確認をとってから揃えても問題ありません。
ミルクボランティア講習会を受講する
ミルクボランティアは、一定量の理解と知識が求められる為、講習会を受講しないとミルクボランティアに参加できない場合もあります。
講習会は多くの団体が実施している為、最寄りの施設などをご確認ください。
講習会では、ミルクボランティアの活動や管理方法、様々な対応方法も知る事が出来ます。
ミルクボランティアの良くある質問
ミルクボランティアをするうえで、良くある質問をまとめてみました。
ミルクボランティアをする対象を選ぶことはできますか?
原則、対処を選ぶことはできません。
ただ、一度に何匹を預かるのか相談することは可能です。
双方が同意せずにお願いすることはありませんので安心してください。
ミルクボランティアをした後、そのまま飼うことはできますか?
もちろんです。手続きをすればそのまま飼う事が可能です。
実際にそういった声もありますので、是非前向きにご検討ください。
里親になる為の条件をまとめていますので、参考にしてください。
団体から支援費や支給品などはでますか?
はい、ミルクボランティアは支給品などの支援をしているケースが多いです。
ですが、消耗品などに関しては自己負担が多いです。
施設や団体とよく相談し、無理ない範囲で活動しましょう。
医療費は自己負担ですか?
一般的には自己負担の場合が多いです。
ですが、里親が見つかった場合に返還されたり、医療費の助成制度もあります。
これは施設や団体によって異なりますので、事前に確認してください。
まとめ
ミルクボランティアはとてもやりがいのあるボランティアです。
赤ちゃん動物はとても手間がかかり、愛情を持って丁寧に世話をする必要があります。
その為、どうしても身体的・精神的に厳しい活動であることは事実です。
ですが、赤ちゃん動物の成長を一番近くで見守ることができ、命を守る事に繋がるとてもやりがいのある活動です。
ミルクボランティアは認知度も低く、活動している方も多くありません。
是非一度ご検討いただければ幸いです。
また、ミルクボランティア以外にも、保護動物への支援方法はいくつもあります。
支援方法をまとめた記事もありますので、是非ご一読ください。