皆さんは保護犬に関してどれくらい知っていますか?
保護犬とは、飼い主を失った犬が施設に保護された状態をいいます。
今回は”保護犬”に関してもう少し理解を深めていきましょう!
保護犬の生活、保護されてからどう過ごしているの?
実際に保護犬は保護された後どのように過ごしているかご存じでしょうか?
保護されてからの最後まで、どのように過ごしているのか調査してみました。
健康チェック
保護施設について、まず一番初めに健康状態のチェックをします。
感染症がないかなどを調べる必要があり、施設によっては併設された動物病院で診察を受けます。
ワクチン接種・病気・けがなどの治療を行い、全ての治療や安静期間を得て、避妊手術します。
訓練士による訓練の開始
健康状態のチェック・治療の完了した子から訓練士による訓練が開始されます。
犬の状態によって訓練内容は様々です。
もともと飼い犬だった場合は人間に慣れており、譲渡できるまでの期間も短いですが、
檻の中で育った犬、野良犬期間の長い犬、虐待されてきた犬などは、人に対して攻撃的であったり、精神的にも肉体的にも衰弱している場合がほとんどです。
そういったケースの訓練は非常に時間がかかり、譲渡できるまでに長い時間を要したり、譲渡できるまでに回復しない場合も多いです。
訓練内容は様々ですが、一般的に以下の様な訓練が行われます。
アイコンタクト訓練
アイコンタクトとは、飼い主に目を向け、飼い主を意識している状態の事を指します。
アイコンタクトの効果としては、名前を呼ぶことで反応したり、指示に従いやすくなります。そうすることによって事前にトラブルを回避したり、コミュニケーションがとりやすくなります。
犬の状態によっては、人間と目を合わせるのが難しい子も多いです。
中には人の見ている前だと食事をとらない子もいる為、人に怯えなくなるまでに時間がかかります。
散歩訓練
ストレス解消、運動不足の解消、人間とのコミュニケーションなど、大きな役割を果たします。
散歩をしたことがない犬や、檻の中でしか過ごした事ない犬は外の世界を知りません。
その為、無理させずに少しずつ慣らしていく必要があります。
人とのコミュニケーション訓練
人との接触に抵抗を感じる犬もいます。散歩などで突然手を前にすると、びっくりして噛みついてしまう事もあります。
診察を受ける際など、人の手に慣れておくことで嫌がったりせずに治療を受ける事が出来ます。
虐待をされてきた犬などは、コミュニケーション訓練にとても長い時間がかかります。
長い時間をかけて信頼を再構築する必要があります。これは里親にも根気よく協力をお願いする必要があります。
トイレ訓練
犬を室内飼いする場合は、トイレの場所やルールを覚えさせることが必要です。
決められた場所やルールを覚える事で、譲渡する前に学習させます。
食事訓練
食事は健康維持のために大切な事です。
人に見られていると食事できない子や、外出中に落ちているものを勝手に食べたりすることもあります。
病気などのリスクがありますので、食事訓練も必要です。
社会訓練
人と暮らす事や、多くの動物と出会い、ふれあいの経験を持たせます。
外の世界や様々な音、いろんな状況に慣れさせ、社会に出たときに落ち着いていられるように訓練します。
あくまで一例ですが、こういった訓練を行い、譲渡ができるまでになります。
ですが、全ての犬が全ての訓練を完了するわけではありません。
犬の性格などで訓練方法や対応が変わってきますし、施設の都合上、全ての訓練を全ての犬にこなす事は難しいからです。
例えば生後幼い赤ちゃんなどであれば里親に任せる部分も多いですし、攻撃性の低い場合はそのまま理解ある里親にお願いすることもあります。
※施設によって対応に違いがありますので、一例としてご理解いただければ幸いです。
里親へ申請
訓練が完了したら、施設で里親を待ちます。
見学は施設によりますが、営業時間内であればいつでも対応できると思います。
詳しくは対応施設をご確認下さい。
終生保護収容
終生保護収容とは、里親に恵まれなかったり、生まれつきの病気や身体的な障害などを理由として、一生をそのまま施設で過ごす事を言います。
そういった場合でも、ボランティア団体などの力を借りて、保護犬は最後まで幸せに暮らしています。
ですが、施設にも限界があり、全ての動物を保護するのは難しいのが現状です。