保護犬ってなに?どうして保護犬になるの?

保護犬・保護猫

私たちの生活を豊かに、暮らしを支えてくれる大切なペット。
初めてペットを迎えたその日は、私たちにとって忘れられない幸せの始まりで、過ごした時間はとても大切な思い出です。
そんな、家族同然なペットに関して、私たちはどれだけ知っているでしょうか?

今回は 保護犬 に関して焦点を当ててみたいと思います。

保護犬ってなに?

保護犬とは、帰る家も、飼い主もいない犬たちを、動物保護施設で一時的に保護されて生活している犬たちの事です。

保護される犬の年齢は幅広く、犬種も様々です。
中には血統書付きの個体や、生まれて間もない子犬もいます。
病気やケガをしている状態で放置された為に、ご飯を食べれない状態になるまで衰弱している子もいます。中には人間に対して恐怖心を覚え、長い時間をかけてメンタルケアが必要な子も多いです。

悲しいことに、様々な事情により、そういった犬は少なくありません。
実際問題、2021年4月~2022年3月までの1年間で、約24,000匹が保護されています。
>環境省_統計資料調べ

では、どうしてその様な犬が多いのでしょうか?
私たち飼い主がもう少し責任感を持てるだけで、大切なペットがそんな悲しい事にはならないはずです。

どうして保護犬になるの?

保護される事情は様々です。中にはやむを得ない事情もあるでしょうが、ほとんどは飼い主が無責任に見捨てた子たちを保護するケースがほとんどです。

飼い主のいない(野良犬)ケース

保護される割合の一番多いケースです。
元々は飼い犬として育てられた犬が飼育放棄によって捨てられたり、
放し飼いされていた犬、迷子になったまま家に帰れなくなった犬が野生で暮らし始め、野良犬になってしまうケースなど、さまざまな要因があります。

飼い主が飼育困難により、手放すケース

飼い主側の理由により、飼えなくなってしまったケースです。病死・急死などやむを得ない場合もありますが、身勝手な理由で手放すケースも多く存在します。

・経済的な問題
犬の寿命で考えると、おおよそ10年~15年前後は飼育することになります。そうなった場合、金銭は大きな問題となります。予想以上の飼育費用で、飼い主側の生活が不安定になってしまう、突然の病気などで医療費を捻出できなくなってしまった、などのケースです。
また、去勢・避妊手術にもお金がかかります。手術せずに飼育してしまうと、いつの間にか数が増え続け、「多頭崩壊」にまで陥ってしまうケースがあります。

・時間的な問題
飼い主の仕事が急に忙しくなってしまったり、子供ができたことにより、犬の世話に十分な時間を確保することができなくなってしまった、などのケースです。

・身体的な問題
飼い主側が高齢になり、散歩することが難しくなってしまった、ペットの病気で介護が必要になり、手が回らなくなってしまった、などのケースです。
また、中にはアレルギーが要因で動物と一緒に暮らせなくなってしまった場合なども該当します。

・住まいの問題
賃貸物件であればペット可のところに住む必要があります。しかし引っ越し先でそういった場所が見つからない、などのケースです。

・ライフステージの変化による問題
配偶者や親族含め、相手に受け入れてもらえなかった、生まれてきた子供と相性が悪かった、などのケースです。

多頭飼育崩壊により、レスキューされるケース

多頭飼育崩壊とは、ペットの動物を多数飼育した飼い主が、無責任な飼い方をした結果、異常繁殖の末、飼育不可能になる事を指します。

多頭飼いによる飼育崩壊は、その現状から近隣住民ともトラブルになっている場合が多く、苦情・通報により発覚します。
そういった現場はほとんどが劣悪な環境化で過ごしています。
飼い主も数が増えすぎて管理しきれていない為、全部で何頭になっているかわからない場合が多いです。
救助された動物たちは、健康状態が悪く、病気を持っているケースも多いです。

ブリーダーやペットショップからの保護ケース

ブリーダーとは、ペットとなる動物に関して専門的な知識を持ち、交配・繁殖を生業とする人たちの事です。生まれた子犬をペットショップに流通させたり、自ら飼い主に直接販売したりします。

ブリーダーでは、管理が不十分で許容範囲を超える数が繁殖してしまったり、病気の子は売れないからと保護を申請することがあります。
ペットショップでは売れ残りの子を飼う事ができず、保護を申請するなどのケースです。
ブリーダーもペットショップもペットを商品としていますので、しっかり管理する必要があります。

保護された犬はそのあとどうなるの?

施設の方針によりますが、一般的に、保護犬は保護施設で里親を探します。
里親に出すことが難しい保護犬たちは、そのまま最後まで施設で過ごすこともあります。

ですが、残念な事に施設にも限界があります。
施設の大きさ・人手・金銭的にもすべての犬や猫を保護することはできません。
毎日、少なくない数が殺処分されているのが現状です。

里親に出す前にできる限りの治療やメンタルケアなどをします。
長い時間をかけてトレーニングをすることもあり、どうしても成犬は子犬よりも保護数が少なくなっているのが現状です。
最後まで幸せに過ごせるよう、様々ところで活動が行われており、年々殺処分数は減少傾向にあります。

誰でも里親になって、保護犬を飼えますか?

もちろん、誰でも保護犬を飼う事ができます。
ただし、希望すれば譲渡してもらえるわけではありません。里親になるには様々な準備が必要です。
以下に里親になる為の条件などをまとめましたのでご一読下さい。

環境や理解、最後まで責任をもって飼育できる意思の見えない方に譲渡することはできません。